施術中に電話が鳴る。
接客を止めて電話に出るか。
それとも、目の前のお客様を優先するか。
1人で店舗を運営していると、こんな場面は珍しくありません。
電話に出なければ、新規のお客様を逃すかもしれない。
でも、電話に出るたびに仕事を止めていたら、今いるお客様へのサービスに集中できない。
この問題を減らす方法のひとつが、電話代行サービスです。
ただし、電話代行はすべての1人店舗に必要なサービスではありません。
月額料金を払ってまで導入する価値がある店舗もあれば、LINEやWeb予約だけで十分な店舗もあります。
この記事では、
「自分の店に電話代行は本当に必要なのか」
を判断できるように、メリット・デメリット・向いている店舗・選び方を整理します。
結論|電話で「仕事が中断されている」なら検討する価値がある
最初に結論を言うと、電話代行を検討する基準は、
電話が何件かかってくるかではなく、電話によって自分の仕事がどれだけ中断されているか
です。
たとえば1日3件しか電話がなくても、
施術中に鳴る。
接客中に鳴る。
営業電話だった。
あとで折り返す。
留守電を確認する。
これが毎日続けば、思っている以上に仕事が分断されます。
一方で、1日5件電話があったとしても、すべて営業時間外にまとめて対応できていて負担を感じていないなら、無理に電話代行を導入する必要はありません。
電話代行は、
「電話を取ってもらうサービス」ではなく、「電話に奪われている時間を取り戻すサービス」
と考えると判断しやすくなります。
電話代行サービスとは?
電話代行とは、店舗や会社にかかってきた電話を、外部のオペレーターなどが代わりに受けてくれるサービスです。
一般的には、
- 店舗名を名乗って電話を受ける
- 相手の名前や用件を確認する
- 電話内容を店舗側へ知らせる
- 必要に応じて折り返し対応につなげる
といった役割があります。
サービスによっては、電話内容をメール・LINE・チャットツールなどへ通知したり、特定の用件を振り分けたりすることもできます。
たとえばfondeskでは、オペレーターが電話を受けた内容をメールやLINE、Chatwork、Slackなどへ通知できます。Fondesk
また、有人の電話代行だけでなく、現在はAIや自動音声を利用した電話受付サービスも増えています。
→ 関連記事:AI電話代行と有人電話代行の違い
1人店舗で電話対応が負担になりやすい理由
スタッフが何人もいる店舗なら、
「電話お願い」
と誰かに任せることができます。
しかし1人店舗では、
施術する人
接客する人
電話に出る人
予約を確認する人
会計する人
がすべて同じです。
だから電話が1本鳴るだけでも、今やっている仕事を一度止めなければなりません。
美容室ならカット中。
整体院や鍼灸院なら施術中。
ネイルサロンなら細かい作業中。
飲食店なら調理や接客中。
電話対応そのものが数分でも、集中を切られて再び仕事へ戻るまでを考えると、負担はそれ以上になることがあります。
電話代行を利用する5つのメリット
1.施術や接客を止めなくてよくなる
1人店舗にとって最も大きなメリットです。
目の前のお客様に対応しているときに電話が鳴っても、電話代行を利用していれば、その場で手を止める必要がありません。
特に、
「電話が鳴るかもしれない」
と常に意識する必要がなくなることは、単純な時間削減以上の意味があります。
実際にfondeskも、電話対応による作業中断を減らすことをサービスの利用メリットとして案内しています。Fondesk
2.電話の取りこぼしを減らせる
新規のお客様が電話をかけてきたとき、店舗が電話に出なければ、そのまま別の店舗を探すことがあります。
特に、
「今日予約できる?」
「今から行ける?」
といった問い合わせでは、必ず折り返しを待ってもらえるとは限りません。
電話代行によって一次受付だけでもできれば、
「誰から、何の用件で電話があったのか」
を把握しやすくなります。
3.営業電話に時間を取られにくくなる
店舗にかかってくる電話は、お客様からだけではありません。
広告、求人、通信、電力、SEO、営業サービスなどの電話もあります。
1件数分でも、途中で営業電話だと分かるまで対応する必要があります。
電話代行を間に入れることで、必要な電話だけ確認する運用がしやすくなります。
4.折り返す電話を選べる
電話代行を導入するからといって、すべての電話対応を外注する必要はありません。
たとえば、
予約変更 → 自分で折り返す
営業電話 → 折り返さない
取引業者 → 必要なときだけ折り返す
という使い方もできます。
CUBEなどでは、用件に応じて報告先を変更したり、受付内容を設定したりできるサービスもあります。電話代行・秘書代行サービスのCUBE
つまり、
電話を受ける仕事と、電話に答える仕事を分ける
ことができます。
5.電話番のために店に残る必要がなくなる
1人店舗では、
「電話がかかってくるかもしれないから店にいよう」
という時間も発生します。
電話代行を使えば、
休憩する。
買い物へ行く。
外出する。
事務作業をする。
といった時間を取りやすくなります。
電話代行によって買えるものは、単なる数分ではなく、行動の自由度でもあります。
電話代行のデメリット
もちろん、良いことだけではありません。
1.毎月の固定費が増える
最大のデメリットです。
電話代行は利用してもしなくても、基本料金が発生するものが多くあります。
さらに、
- 基本料金
- 規定件数を超えた場合の従量料金
- 土日対応
- 時間外対応
- 特殊な受付
などによって費用が増える場合があります。
だから、
「便利そうだから契約する」
ではなく、今どれくらい電話に困っているのかを確認してから判断した方がいいでしょう。
→ 関連記事:電話代行の料金相場はいくら?1人店舗の月額費用と追加料金の見方
2.最終的に自分が折り返すケースもある
電話を受けてもらえても、専門的な質問まで代行会社が回答できるとは限りません。
たとえば、
「この症状でも施術できますか?」
「このメニューならどちらが合いますか?」
「特殊なオーダーはできますか?」
などは、店舗側でなければ判断できないことがあります。
その場合、
受付 → 通知 → 自分が折り返す
という流れになるため、電話業務が完全になくなるわけではありません。
3.店舗独自の細かな対応を再現しにくい
長く通っているお客様なら、
「いつもの時間で」
「前回と同じ内容で」
という会話だけで対応できることがあります。
外部スタッフには、その関係性までは分かりません。
1人店舗特有の距離の近さを大切にしている場合は、
どこまで外注し、どこから自分が対応するか
を決める必要があります。
電話代行が向いている店舗
次の項目に複数当てはまるなら、電話代行を検討してもいいでしょう。
- 施術・接客中に電話がよく鳴る
- 電話が鳴るたびに仕事を中断している
- 新規問い合わせの電話がある
- 営業電話が多い
- 折り返し電話が溜まる
- 店主が外出する時間がある
- 電話に出られなかったことが気になる
- 電話番のために行動を制限されている
特に、
美容室・理容室・整体院・鍼灸院・エステ・ネイル・リラクゼーション
など、「店主自身がサービスを提供している店舗」との相性は考えやすいでしょう。
電話代行が必要ない店舗
反対に、次のような店舗なら急いで導入する必要はありません。
- 電話が月に数件しかない
- 予約のほとんどがWeb
- LINEで問い合わせを受けている
- 電話番号を積極的に案内していない
- 留守番電話+折り返しで問題がない
- 電話対応を負担に感じていない
月額料金を払ってサービスを一つ増やせば、管理するものも一つ増えます。
困っていない問題を解決する必要はありません。
導入前に「1週間だけ」電話を記録してみる
必要かどうか分からない場合は、すぐ契約する必要はありません。
まず1週間だけ、
| 記録すること | 内容 |
|---|---|
| 電話件数 | 何件あったか |
| 相手 | 顧客・業者・営業など |
| 時間帯 | いつ鳴ったか |
| 中断した仕事 | 施術・接客・休憩など |
| 対応時間 | 何分かかったか |
| 結果 | 予約・問い合わせ・営業など |
を記録してみてください。
ここで重要なのは、電話の本数だけを数えないことです。
たとえば、
月20件しかないけれど、そのうち15件が施術中。
という場合と、
月50件あるけれど、ほとんどが空き時間。
では負担がまったく違います。
1人店舗が電話代行を選ぶ5つのポイント
導入することを決めたら、次はサービス選びです。
1.対応時間
自分の営業時間と電話代行の受付時間が合っているかを確認します。
特に美容・治療・リラクゼーション系は土日に営業している店舗も多いため、土日対応の有無も重要です。
2.料金だけでなく対応件数を見る
月額5,000円と1万円だけを比較しても十分ではありません。
基本料金に、
何件まで含まれるか
を確認します。
電話件数を超えると従量料金がかかるサービスもあります。
3.通知方法
電話を受けてもらった後、
メールなのか。
LINEなのか。
チャットなのか。
自分が普段確認しやすい方法で通知されるかを確認します。
4.どこまで任せられるか
単純な一次受付だけなのか、
予約受付までできるのか。
FAQに答えてもらえるのか。
店舗によって必要な範囲は違います。
→ 関連記事:電話代行で予約受付はできる?1人店舗で任せられること・できないこと
5.有人かAIか
最近は、人間のオペレーターだけではなく、AIや自動音声を使った電話受付も選択できます。
「自然な接客」を優先するのか。
「料金の安さ・24時間対応」を優先するのか。
ここでも選び方が変わります。
→ 関連記事:AI電話代行と有人電話代行の違い|1人店舗はどちらを選ぶ?
有人電話代行とAI電話代行、どちらがいい?
これは店舗によります。
有人電話代行は、人が会話するため柔軟な対応がしやすい一方、月額費用は高くなりやすい傾向があります。
一方、自動音声・AI型では、比較的安価に着信の振り分けや用件確認を行えるサービスがあります。
たとえばfondesk IVRでは、基本料金月額2,980円(税別)から、自動音声・AIオペレーター・録音・転送などを組み合わせられます。fondesk IVR
ただし、
安い=1人店舗に適している
とは限りません。
お客様が電話をかけてくる理由や年齢層なども考えて選ぶ必要があります。
電話代行を導入するか迷ったら「年間費用」でも考える
仮に月額1万円なら、
年間12万円
です。
12万円だけを見ると安くありません。
でも、このサービスによって毎月5時間の電話関連業務が減ったとすれば、
年間では60時間です。
つまり、
年間12万円で60時間を買い戻している
と考えることもできます。
反対に、毎月10分しか電話対応が減らないなら、年間12万円を支払う価値は低いでしょう。
重要なのは、
月額料金が高いか安いかではなく、その費用によって何時間取り戻せるのか
です。
まとめ|電話代行は「電話」ではなく「自分の時間」を外注する
電話代行は、すべての1人店舗に必要なものではありません。
電話がほとんど鳴らず、Web予約やLINEだけで十分なら、導入する必要はありません。
一方で、
施術中に何度も電話が鳴る。
営業電話に仕事を止められる。
折り返し対応が溜まる。
電話が気になって外出できない。
そんな状態なら、電話対応を外に出すことで店舗運営が軽くなる可能性があります。
考える基準は、
「電話代行を導入すべきか」ではなく、
「電話対応を自分でやり続ける必要があるか」
です。
必要なら使う。
必要がなければ使わない。
そして導入するなら、価格だけでなく、自分の時間をどれくらい取り戻せるかで選ぶ。
それが、1人店舗にとって無理のない電話代行の使い方です。

