施術や接客の手を止めて電話に出たら、ホームページ制作や集客サービスの営業だった。1人店舗では、その数分だけでなく、目の前のお客様との会話や施術に集中し直す時間も失われます。
営業電話を完全になくすことは難しくても、店主までつながる件数と対応に使う時間は減らせます。まず無料でできる案内と断り方を整え、必要な場合だけ自動応答や電話代行を検討しましょう。
営業電話を減らす前に、着信を3種類に分ける
同じ知らない番号でも、新規のお客様、取引先、営業の担当者では対応が違います。番号だけを見てすべて拒否すると、予約や大切な連絡も逃す可能性があります。
まず1〜2週間、着信を次のように記録します。
| 種類 | 例 | 基本の対応 |
|---|---|---|
| お客様からの連絡 | 新規予約、予約変更、道案内 | 予約ページへ誘導するか、必要に応じて折り返す |
| 店舗運営に必要な連絡 | 仕入先、建物管理、既存の取引先 | 用件を確認して対応する |
| 求めていない営業 | 広告掲載、SEO、通信回線、決済端末などの提案 | 短く断り、同じ番号から繰り返す場合はブロックを検討する |
電話の総件数だけでなく、施術・接客中に鳴った件数と営業電話への対応にかけた時間を把握することが先です。
1.営業電話を短く終える返答を決めておく
予期しない提案にその場で答えようとすると、会話が長くなります。店の方針として返答を一つ決めておくと、担当者が変わっても対応しやすくなります。
「お電話ありがとうございます。現在、新しいサービスのご提案は受け付けておりません。失礼いたします。」
説明を求められても、理由を長く話す必要はありません。「必要になりましたら、こちらから調べて連絡します」で区切り、通話を終えます。再連絡を望まないなら、その旨も伝えます。
一方、既存の取引先や自分から問い合わせた会社は営業電話と混同しないよう、店の電話帳やメモに残しておきます。
2.ホームページの連絡先と予約導線を整える
ホームページで電話番号しか見つからなければ、お客様も営業担当者も同じ番号にかけます。新規予約の入口としてWeb予約やLINEを使っているなら、営業時間、料金、予約方法、場所を分かりやすく掲載しましょう。
問い合わせフォームを設ける場合は、「お客様からのご相談」と「事業者からのご提案」を分ける方法もあります。ただし、電話番号を全面的に隠すと、電話でしか連絡できないお客様が困る場合があります。自分の店で電話が必要な場面を残したうえで、掲載場所と案内を決めてください。
Web予約への誘導は、営業電話を直接止める手段ではありません。お客様が電話以外で用件を済ませられるようにし、店主が電話に出る必要を減らす対策です。
3.同じ番号から繰り返す電話をブロックする
同じ会社から繰り返し営業電話が来る場合は、電話機や契約中の電話サービスで番号ごとの着信拒否を設定できるか確認します。知らない番号を一律に拒否するより、対象を絞った方が新規のお客様を逃しにくくなります。
自動応答サービスにも、指定した番号をブロックする機能があります。アイブリーはブラックリスト機能を、fondeskはブロックリストを案内しています。ただし、番号を変えてかけてくる相手への対策には限界があります。
また、転送サービスを利用している場合、発信者番号が正しく引き継がれるかに注意が必要です。fondeskの公式ヘルプは、転送元の番号を誤ってブロックするとすべての着信が拒否される場合があると説明しています。登録前に番号と着信履歴を確かめましょう。
4.自動音声・AIで用件を先に聞く
営業電話が多く、仕事中に毎回着信音が鳴るなら、自動音声やAIに先に対応してもらう方法があります。「予約の方」「その他のご用件」などを分け、予約方法を案内したり、用件を記録したりできます。
店主は記録を後から見て、対応すべき電話だけを選べます。ただし、設定が細かすぎるとお客様も途中で切ってしまうかもしれません。分岐を短くし、予約したい人が迷わず進めるか、自分の電話から試すことが大切です。
AIや自動音声にも月額料金や利用量に応じた費用がかかる場合があります。営業電話が月に数件だけなら、無料の対策で十分なこともあります。
→ 関連記事:「施術中・接客中に電話に出られないときの対策5選|1人店舗の電話対応を減らす方法」
5.有人電話代行に一次受付を任せる
人が電話を受ければ、施術中に店主が応対する必要は減らせます。お客様の用件を聞き取り、あとから店主に知らせる運用もできます。
ただし、有人電話代行を入れるだけで営業電話を断ってもらえるとは限りません。たとえばfondeskは公式ヘルプで、電話の内容によって営業電話だけを断る対応はできないと説明しています。オペレーターが受けた営業電話も受電件数に含まれるため、件数制の料金では費用に影響します。
営業電話の選別やお断りまで期待するなら、契約前にサービスごとの対応範囲を確認してください。番号ブロックや自動音声との組み合わせも選択肢です。
→ 関連記事:「1人店舗におすすめの電話代行サービス5選|料金・対応時間・向いている店舗を比較」
1人店舗はどこから始める?
| 状況 | 最初に試すこと |
|---|---|
| 月に数件の営業電話が気になる | 短い断り方を決め、同じ番号からの着信を記録する |
| 同じ番号から何度もかかる | 番号を確認して個別にブロックする |
| お客様の予約電話も多い | Web予約の案内を整え、留守番電話や自動応答を試す |
| 施術・接客が毎日のように中断される | 着信件数と内容を調べ、AI・自動応答・有人代行の総費用を比べる |
営業電話がかかってくること自体より、目の前のお客様との時間がどれほど中断されるかを基準にしてください。1件が短くても、施術を止めて対応し、集中を戻す負担が積み重なっているなら、外部サービスを検討する価値があります。
まとめ|営業電話に使う時間を減らす
まずは断り方を決め、予約や問い合わせの入口を整え、繰り返す番号だけをブロックする。これで十分なら、有料の電話代行は必要ありません。
それでも施術や接客が頻繁に止まるなら、自動音声・AI・有人代行を検討します。選ぶときは月額料金だけでなく、お客様が迷わず連絡できるか、店主に残る確認や折り返しがどれくらいあるかまで見てください。

