1人で店舗を運営していると、施術や接客だけでなく、
売上の確認、経費入力、レシート整理、請求書管理、確定申告まで、自分で行うことが少なくありません。
一つひとつは小さな作業でも、毎週、毎月と積み重なると意外に時間を取られます。
そこで役立つのが、クラウド会計ソフトです。
ただし、1人店舗では「一番高機能な会計ソフト」を選ぶ必要はありません。
大切なのは、
会計ソフトを使うことで、自分が経理に使う時間をどれだけ減らせるか。
この記事では、個人事業主として店舗を運営する人が検討しやすい5つの会計ソフトを、料金・自動化・使いやすさ・向いている人という視点から比較します。
※料金・サービス内容は2026年9月27日時点で公式サイトを確認したものです。料金改定やキャンペーンが行われる場合があるため、契約前には各公式サイトをご確認ください。
結論|1人店舗の会計ソフトは「安さ」より「入力が減るか」で選ぶ
会計ソフトを比較すると、どうしても月額料金に目が向きます。
しかし、1人店舗では数百円の差よりも、
銀行・クレジットカード・POSなどと連携して、手入力をどこまで減らせるか
の方が重要です。
毎月500円安くても、経理に毎月2時間余計にかかるのであれば、本当に安いとは言えません。
反対に、年間数千円高くても、レシート入力や仕訳、確定申告の作業が減るのであれば、その方が店舗運営を軽くしてくれることがあります。
会計ソフトも「料金」だけでなく「時間」で比較する。
これが、1人店舗には合った選び方です。
1人店舗向け会計ソフト5社を比較
| 会計ソフト | 料金の目安 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| freee会計 | 年11,760円〜 | 簿記に詳しくなくても進めやすい | 会計が苦手な人 |
| マネーフォワード クラウド確定申告 | 年10,800円〜 | 銀行・カードなどとの連携が充実 | 自動連携を重視する人 |
| やよいの青色申告 オンライン | 年11,800円+税〜 | 定番で機能が分かりやすい | 費用と機能のバランス重視 |
| ジョブカン青色申告 | 年12,000円+税 | 会計ソフトらしい帳簿管理 | 帳簿をしっかり管理したい人 |
| 円簿PRO | 年9,500円+税〜 | OCRなどを低価格で利用可能 | 年間コストを抑えたい人 |
freeeのスターターは年払いで月換算980円、マネーフォワードのパーソナルミニは月換算900円、弥生のセルフプランは通常年額11,800円+税です。スモールビジネスを世界の主役に freee株式会社
ここから、それぞれの違いを見ていきます。
1.freee会計|会計や簿記が苦手な人から検討しやすい
freee会計は、従来の会計ソフトのように「借方・貸方を理解して仕訳する」という感覚よりも、取引内容から入力を進めやすく設計されたクラウド会計ソフトです。
個人事業主向けのスタータープランは、年払いで年11,760円(税抜)、月換算980円。
銀行口座やクレジットカードからの明細取得、確定申告書類の作成、見積書・請求書作成などが利用できます。スモールビジネスを世界の主役に freee株式会社
freee会計が向いている人
会計用語や簿記にあまり馴染みがなく、
「とにかく確定申告まで迷わず進めたい」
という人には比較しやすいサービスです。
スマートフォンからも利用できるため、PCの前でまとめて経理をするより、空いた時間に処理したい店舗とも相性があります。
注意したい点
スタータープランでは、レシート撮影・アップロードが月5枚までです。
また、消費税申告はスターターでは利用できず、スタンダード以上が必要です。
レシートや領収書が多い店舗の場合は、スターターの安さだけで決めず、実際に必要なプランまで確認しておきましょう。スモールビジネスを世界の主役に freee株式会社
2.マネーフォワード クラウド確定申告|銀行・カードとの自動連携を重視する人に
マネーフォワード クラウド確定申告は、銀行口座やクレジットカードなどの明細を取り込み、日々の会計処理を効率化できるクラウド会計ソフトです。
パーソナルミニは、
年払い:10,800円(税抜)
月換算:900円
で利用できます。
青色・白色申告、電子申告、銀行・カード明細の自動取り込みなどに対応しています。バックオフィスの業務効率化なら「マネーフォワード クラウド」
マネーフォワードが向いている人
銀行口座、クレジットカード、POSなど複数の金融サービスを利用していて、
「なるべく自分で数字を入力したくない」
という人には比較候補になります。
特にキャッシュレス決済が多い店舗では、自動連携によって経理作業を減らせる可能性があります。
注意したい点
パーソナルミニでは消費税申告が利用できません。
また、2026年12月1日から一部料金の改定が予定されています。
パーソナルミニの年払い10,800円は据え置きですが、パーソナルプランは年15,360円から年22,560円へ変更予定です。バックオフィスの業務効率化なら「マネーフォワード クラウド」
この記事も12月以降、一度料金を更新した方がいいでしょう。
3.やよいの青色申告 オンライン|定番と分かりやすさを重視する人に
やよいの青色申告 オンラインは、弥生が提供する個人事業主向けのクラウド青色申告ソフトです。
セルフプランは通常、
年額11,800円+税
です。
現在は1年間無料のキャンペーンも案内されています。
特徴的なのは、セルフ・ベーシックなどのプランで基本的な会計機能を削るのではなく、主にサポート内容によってプランが分けられていることです。
セルフプランでも、確定申告書作成、e-Tax、金融機関連携、POSレジ連携、スマホアプリなどを利用できます。やよい株式会社
弥生が向いている人
「特殊なことは必要ないので、定番の会計ソフトを使いたい」
「料金を抑えながら、確定申告まできちんと行いたい」
という人には選びやすいでしょう。
注意したい点
セルフプランは機能自体は充実していますが、操作について手厚いサポートを受けたい場合は上位プランを検討する必要があります。
会計ソフトを初めて使う場合は、料金だけでなく自分にどれくらいサポートが必要かも考えておくと選びやすくなります。
4.ジョブカン青色申告|帳簿をしっかり管理したい人に
ジョブカン青色申告は、会計ソフトらしい帳簿管理を重視したクラウド青色申告ソフトです。
クラウド版は、
年額12,000円(税抜)/13,200円(税込)
で利用できます。
銀行・クレジットカードの明細を取り込んで仕訳を作成でき、確定申告やe-Tax用データの作成にも対応しています。ジョブカン会計
ジョブカン青色申告が向いている人
freeeのようなガイド型より、
「帳簿を自分で確認しながら会計処理をしたい」
という人に向いています。
ある程度仕訳や帳簿に慣れている人なら、使いやすく感じる可能性があります。
注意したい点
「会計がまったく分からないので、質問に答えるだけで全部終わらせたい」という人には、最初に少し会計ソフトらしさを感じるかもしれません。
無料トライアルがあるので、画面や入力方法が自分に合うかを確認してから契約する方がいいでしょう。
5.円簿PRO|年間コストを抑えながら会計機能を使いたい人に
円簿PROは、クラウド型の会計・青色申告サービスです。
ベーシックプランは、
年額9,500円(税抜)
です。
一般プランには12か月間の無料トライアルが用意されており、複合仕訳・元帳形式・通帳形式などの入力や、OCR入力、青色申告決算書、所得税申告書などを利用できます。
ベーシックではAI-OCRが年間100枚まで含まれ、消費税申告書にも対応しています。Yenbo
円簿PROが向いている人
年間費用を抑えながら、
- 青色申告
- OCR入力
- 電子帳簿保存
- インボイス対応
などを利用したい人には検討する価値があります。Yenbo
注意したい点
以前の円簿シリーズには「無料」という印象がありますが、現在の円簿PROは料金体系が変わっています。
一般プランの0円は12か月の無料トライアルであり、期間終了後も継続して編集・利用する場合は契約が必要です。Yenbo
古い比較記事の「ずっと無料」という情報だけを見て選ばないよう注意しましょう。
1人店舗が会計ソフトを選ぶ5つのポイント
1.銀行口座・クレジットカードと連携できるか
1人店舗では、できるだけ手入力を減らすことが重要です。
事業用口座やクレジットカードを連携できれば、毎回明細を見ながら入力する仕事を減らせます。
特にキャッシュレス決済が多い店舗では、連携機能の違いを確認しておきましょう。
2.レシートをどう処理するか
現金で仕入れや備品購入をすることが多ければ、レシート撮影やOCRの使いやすさが重要になります。
月額料金が安くても、撮影できる枚数に制限があり、結局上位プランが必要になることもあります。
「一番安いプラン」ではなく、「自分が実際に使うプラン」で料金を比較することが大切です。
3.確定申告まで自分で行うのか
日々の記帳だけに使うのか、確定申告・e-Taxまで会計ソフトで完結させたいのかによって必要な機能は変わります。
税理士に申告を依頼している場合は、税理士とデータを共有しやすいかも確認しておきましょう。
4.スマホ中心か、パソコン中心か
空いた時間にスマホでレシート登録をしたい人と、月末にPCでまとめて帳簿を確認したい人では、使いやすいソフトが違います。
機能表だけではなく、無料体験で実際の操作画面を触ってみることをおすすめします。
5.「経理時間が減るか」で考える
会計ソフトを使う目的は、会計ソフトを管理することではありません。
売上や経費を正しく管理しながら、
経理に使う時間を減らして、本来の仕事に戻ること
が目的です。
1人店舗では、この視点を一番大切にした方がいいでしょう。
タイプ別|1人店舗ならどれを選ぶ?
迷った場合は、サービス名からではなく、自分の苦手なことから考えると選びやすくなります。
| こんな人 | 比較候補 |
|---|---|
| 会計や簿記が苦手 | freee会計 |
| 銀行・カード連携を重視 | マネーフォワード クラウド確定申告 |
| 定番・機能・料金のバランス重視 | やよいの青色申告 オンライン |
| 帳簿をきちんと確認したい | ジョブカン青色申告 |
| 年間費用を抑えたい | 円簿PRO |
ここでも、「一番おすすめ」を決める必要はありません。
会計が苦手な人と、簿記を理解して自分で帳簿を確認したい人では、使いやすいソフトが違うからです。
会計ソフトを契約する前に、経理の仕組みを整理する
会計ソフトを導入するだけで、経理が自動的に楽になるわけではありません。
たとえば、
事業用と個人用の銀行口座が混在している。
同じクレジットカードで私物も購入している。
現金払いが多くレシートを溜めている。
この状態では、どの会計ソフトを使っても確認作業が増えます。
できれば、
事業用口座・事業用カード・キャッシュレス決済を整理したうえで会計ソフトと連携する。
ここまで行うと、日々の経理はかなり軽くなります。
まとめ|会計ソフトは「数百円の差」より「経理時間」で選ぶ
1人店舗では、会計も自分で行う仕事の一つです。
しかし、本来やりたい仕事ではない人も多いでしょう。
だからこそ、
一番安い会計ソフトを探すのではなく、一番自分の作業を減らしてくれるものを選ぶ。
という考え方が大切です。
会計が苦手ならfreee。
金融サービスとの自動連携を重視するならマネーフォワード。
定番の使いやすさと機能を求めるなら弥生。
帳簿をしっかり確認したいならジョブカン。
年間コストとのバランスを重視するなら円簿PRO。
まずは無料体験を利用して、
「自分が迷わず使えるか」
「入力する仕事が本当に減るか」
を確認してみるのがいいでしょう。
毎月数百円の差以上に、毎月1時間、2時間の経理作業を減らせることの方が、1人店舗には大きな価値があります。
店を、軽くするための会計ソフトを選ぶ。
ミセカルクでは、その視点を大切にしています。


